難病治療
脳梗塞後遺症
キャッチコピーがある場合
脳梗塞とは
脳の細動脈に血栓・凝固塊・脂肪塊・石灰片・腫瘍塊などが詰まって血流を停滞させ脳細胞が死滅しまう病気です。
脳梗塞には大別すると「脳血栓」と「脳塞栓」の2通りがあります。「脳血栓」は高血圧・高脂血症・糖尿病等が引き起こす動脈硬化により血管が詰まってしまい発症します。「脳塞栓」は心臓病(不整脈や弁膜症)等が原因で心臓にできた血栓が血流と共に脳に流れ込み、血管を詰まらせてしまい発症します。
いずれの場合も50歳以上で発症することが多く、男性は女性の約1.5倍とされ、男性では70歳前後が最も多く、女性では73歳ぐらいが多いと言われています。これは、女性ホルモンが脳梗塞の原因となる動脈硬化を抑制する働きがあるためと考えられています。まれに30歳代や40歳代で発症する例もあります。
脳梗塞の症状
半身不随・半身麻痺・感覚の低下・手足の運動障害・意識障害・言語障害・昏睡などの症状が現れ、後遺症となります。脳血栓は徐々に発症する場合が多く、脳塞栓は突然発症し意識障害を起こすのが特徴です。
脳梗塞の後遺症
運動障害:
顔面から上下半身の手脚が麻痺する片麻痺で、ひどい場合は完全麻痺、軽症の場合は手足の先が痺れ細かい動きが不自由など、発症部位・治療着手の早遅などによりその症状は様々です。
視覚障害:
発症部位が脳内の視覚中枢周辺で関連細胞が侵された場合、失明・視力低下などの視野障害が後遺症となります。
言語障害:
聴覚神経細胞が侵され、話す・聞き取るなどの障害が後遺症となります。
感覚障害:
上下半身の感覚が鈍り、痺れや痛みなどが後遺症となります。
記憶障害:
知的中枢の細胞が侵され、痴呆・記憶喪失などが後遺症となる場合があります。
その他後遺症:
慢性頭痛・眩暈・運動失調・排泄障害など。
中医学の脳梗塞治療
東洋医学では脳梗塞のことを”中風”また”卒中”といいます。
風の性質と同様の「善くめぐりしばしば変ず」という特徴を持つため、中風と名づけられました。
中風の記載は、まず「黄帝内経」の中に見られます。その発展には大きく分けて2つの段階があります。
まず唐以前には、中風は「外風」学説が中心で、体内が虚しているために邪気に当たる」と論じられているものが多いです。
唐・宋以降では、特に金・元時代に「内風」論が強調されるようになってきたことが、中風の病因病機学説における一大転換点といえます。また近現代の医学者は西洋医学の知識と結合させて、発病メカニズムについてより深い研究を行っており、それによると、本病の発症は肝陽から風を生じ、気血がともに逆上することによって、脳が侵されて起こると認識されています。
中風が発症する主な原因は、患者がもともと気血両虚の体質であることにあり、それに心・肝・腎の三臓の陰陽失調が関係します。
さらに悩んだり、イライラしたり、怒ったりといった精神面の問題や、酒の飲みすぎ、食べ過ぎ、過度の性生活、外邪の侵襲などの誘因により気血の運行が妨げられ、肌膚や筋脈を潤したり、養ったりすることができないことによると考えます。
あるいは身体の下部において陰が不足し、肝陽が激しく暴発して陽が動風すると、血が気を伴って逆上し、痰と火を挟み、経絡の中を突き進み、清竅を塞いでしまいます。
それによって上部が実し、下部が虚し、さらに陰と陽が連携を維持できなくなり、重篤な証候となると考えています。
既に「黄帝内経」の中には中風や偏枯に対する鍼灸の治療法が説明され、鍼の施術により筋肉のこりを和らげ、血液や体液の循環を良くすることのより脳梗塞にあたる後遺症の治療効果が記されています。
中医学における脳梗塞の考え方
中風が発症する主な原因は、患者がもともと気血両虚の体質であることにあり、それに心・肝・腎の三臓の陰陽失調が関係します。
さらに悩んだり、イライラしたり、怒ったりといった精神面の問題や、酒の飲みすぎ、食べ過ぎ、過度の性生活、外邪の侵襲などの誘因により気血の運行が妨げられ、肌膚や筋脈を潤したり、養ったりすることができないことによるなど、様々な要因が複雑に絡み合うことが原因とされています。
あるいは身体の下部において陰が不足し、肝陽が激しく暴発して陽が動風すると、血が気を伴って逆上し、痰と火を挟み、経絡の中を突き進み、清竅を塞いでしまいます。
それによって上部が実し、下部が虚し、さらに陰と陽が連携を維持できなくなり、重篤な証候となると考えます。
ここでは、主に4つの原因について紹介いたします。
①積み重ねる損傷により正気が衰える
高齢になると身体が衰え、肝腎の陰が虚し、肝陽が盛んになります。もしくは考え事や悩み事、過労などが重なると、気血を虚損し、陰を消耗します。それに加えて休息が十分とれないと、陰が下部で虚し、肝陽が激しく広がり、陽が動風するようになる。その結果、気血が上逆し、心神に覆いかぶさって、本病が発症する。
②飲食の不摂生
酒の飲みすぎ、脂っこいものや甘いものの摂りすぎや、極度の空腹と過食で節度を失う、あるいは体つきが良くても体内の気が弱いなどの原因によって、中気が虚すると、火が健運作用を失ってそのために湿が集まって痰が生じ、痰が鬱積して熱化し、経絡を阻滞する。それが清竅を塞ぎ、突然意識がぼんやりして倒れ、口眼喎斜が起こり半身不随になる。
③情志の損傷
五志(怒喜思悲恐)が極限に達すると、心火は激しく旺盛になる。また陰虚の体質の場合は、水が木を潤せず、さらに情志が原因で損傷を受けると、肝陽が激しく動き、心火を動かし、風火を扇動する。それによって気血が上逆すると、心神は朦朧として、さらに卒倒して意識がなくなる。
④気虚で邪気に中る
気血の不足のために脈絡が空虚になり、風邪が虚に乗じて経絡に入る。その結果、気血が阻まれ、肌肉や筋脈を養って潤すことができなくなる。もしくは体つきがよくても気が衰えているために、体内で痰湿が盛んになり、外風が痰湿を動かすと、経絡を閉塞する。その結果、口眼喎斜が起こって半身不随になる。
中医学における脳梗塞後遺症の弁証論治
本病は病状が軽いか重いか、急性か慢性かによって区別されます。軽症のものは血脈、経絡に限られていますが、重症のものは臓腑にまで影響が及ぶと考えられています。したがって臨床においては、中風を中経絡と中臓腑の二種類に分類します。
中経絡の場合には一般に意識には変化が見られませんが、中臓腑の場合には意識が朦朧として重症となります。
中経絡
経脈空虚・風邪入中
肌膚の感覚がなくなる、手足がしびれる、突然顔面神経麻痺・言語障害が現れる。口角からは唾液が流れる、甚だしい場合は半身不随になる。もしくは悪寒・発熱・四肢や身体が痙攣して自由に動かせなくなる。関節が重怠く痛む。
肝腎陰虚・風陽上擾
平素よりめまい、頭痛がある、耳鳴がしたり、眼が眩んだりする事が多い。睡眠は浅くてよく夢を見る。突然顔面神経麻痺が起こり、舌がこわばって喋ることが不自由になる。手足が重く感じられる、甚だしい場合は半身不随になる。
中臓腑
陽閉
上逆の閉証の症状。顔面が赤い、体が熱い、息が荒く口臭がある、身体がざわざわして落ち着かない煩熱。
陰閉
上逆の閉証の症状、顔面が白く唇は暗い、静かに横になる、四肢は温かくない、痰涎が多い。
脱証
突然意識が無くなり卒倒する。人事不省になる。目は閉じ口は開いている。呼吸はわずかになり鼾をかく。手は広げたままである。四肢の冷え、汗が多い。大小便を失禁する。肢体が軟弱無力になる。舌が縮み、軟弱で動かせない。
半身不随・言語障害
気虚血瘀、脈絡瘀阻
気虚により血を運ぶことができないために、気が巡らず血が盛んにならず、気血が瘀滞して脈絡が閉ざされ、四肢が機能しなくなる。半身不随や四肢の軟弱無力の症状の他に、四肢が機能しなくなる。半身不随や四肢の軟弱無力の症状の他に、患部側の手足に浮腫が起こる。言語障害、口眼喎斜、顔色はくすんだ黄色で艶がないかもしくは暗く血色がない。
肝陽上亢、脈絡瘀阻
肝陽上亢し、火が上昇して風を動かし、気血がともに上逆すると、脈絡が敗れて血が溢れ出し、経脈を閉塞させる。
そのために半身不随になる。患部側が硬直し、筋肉が引きつり、更に頭痛やめまい、顔色が赤くなる。耳鳴がみられる。
風痰阻絡
風痰が上部を阻むため、経絡が調和を失う。それによって舌がこわばり、言語障害が現れる。四肢や身体は痺れがある。
当院の脳梗塞後遺症の鍼灸治療
脳梗塞の後遺症の鍼灸治療は早期であればあるほど効果的です。また専門医療機関でのリハビリ治療との併用が相乗効果を上げより成果を得た例が多くあります。
当院では現代中医学で最も治療実績を上げている脳梗塞の針灸治療法である「醒脳開竅法」を基にし施術を行っています。この治療法は天津中医学院附病院の石学敏教授が実践研究と臨床治療を重ね確立された鍼灸施術法です。この療法で脳梗塞の後遺症には鍼灸治療が極めて効果的であることが実証されました。また、旧来の針治療法や化学療法よりも優れること証明されています。
現在脳梗塞の後遺症で苦慮されておられる患者さんへ
毎日リハビリ治療に励んでおられることでしょう。当初から思うと徐々によくなられたでしょう。
半身麻痺も発声障害も随分改善されましたか。リハビリ治療は真にご自身との闘いですね。辛抱強く頑張っておられますこと敬意致します。
そんな患者さんに少しでも楽になっていただきたく当院の院長は日々真摯に治療に取り組んでいます。初期後遺症で苦しんでおられる患者さんは勿論、経期リハビリ治療を継続れておられる患者さんも、一度当院の脳梗塞後遺症鍼灸治療のカウンセリングをお受け頂くことをお勧め致します。ぜひお気軽に相談にお越し下さい。
トピックス
脳梗塞の再発を防ぐには血液をサラサラにして血栓を作らないようにすることが大切です。その為に抗血小板薬を処方されておられる患者さんもおられることでしよう。食生活で気をつけていただくことは納豆を食べ過ぎないこと。納豆は抗血小板薬の薬効を妨げます。
また、肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病を併発しないよう食生活の自己管理が重要です。暴飲暴食は禁物!適度な運動をし、禁煙・禁酒が必要です。
早期再発発見の為には年1回のMRIやMRA、頚動脈エコーなどの検査を受け画像診断で脳血管や頚動脈の状態を調べましょう。 脳梗塞にならないためにはまず生活習慣の見直しをしましょう。 塩分を控え(10g/日以内)、ナトリウムの排泄を促進する食品(枝豆・リンゴ・バナナ・カボチャ)などを進んで摂取しましょう。降血圧作用のある乳製品やマグネシウムを含む食品(焼きのり・昆布・ごま)などを積極的に摂ることも大事です。動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品は控え、アジ・サバ・イワシなどに多く含まれるEPA・DHAなどの不飽和脂肪酸に配慮し献立して下さい。
また適度な運動を心がけ、太り過ぎに注意し、充分睡眠・休養をとりましょう。禁煙・節酒は肝要です。 夏は脱水症や風邪が基で脳梗塞に至ることがあります。夏場の充分な水分補給は欠かせません。
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