病気の治療 ― 帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹とは

 

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は子供の頃にかかった水疱瘡(みずぼうそう)の原因ウイルスと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症する痛みを伴った水泡が現れる皮膚疾患です。

 

水疱瘡は多く子供が罹患し、1週間程度で治りますがウイルスは全て消滅したわけではなく、 脊髄近くの神経節(神経の集約部)に住み着き、再活動の機会を窺って い、数十年間潜んで復活する場合もあれば、そのまま活動しないで 一生を終える場合もあります。帯状疱疹として再発する多くの症例では身体の免疫力が低下したときで、怪我や過労・ストレスの継続・様々な病中病後・術後・免疫抑制薬などの化学療法・加齢などがその主な原因です。

 

免疫力の低下によって復活したウイルスは、神経節から姿を現し活動を再開し、頸から胸や背中、脇腹や腹部などの神経が走る皮膚上に水泡を発症させます。この神経に沿って発症する帯状の赤い疱疹の現れ方から『帯状疱疹』と呼ばれます。子供の頃に水疱瘡にかかった人の内5人ないし6人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。

 

これまでは割合中高齢者に多く発症例がありましたが、最近では若年者にも増加しています。 その主な症状の始まりは皮膚にチクチクした痛みが時には悪寒を伴って自覚し、次第に痛みを感じている部分に赤い発疹が現れ、小さな水泡となって帯状に広がっていきます。この帯状の発疹は多くの場合、胸から背中、腹部などに現れますが、顔や手足に広がる場合もあります。しかし発疹の発症は体の左右どちらか片側だけに現れ、また複数の部位に同時に現れることはほとんどありません。

 

皮膚科の治療としては抗ウイルス薬剤などを処方し、次第に赤い水泡を抑え、やがてかさぶたになって治まっていきます。ここ迄に至るには発症から一か月余りを要し、この間、針で刺されるような鋭い痛みに始まり、衣服が触れるだけでも耐え難い激しい痛みが続きます。この激しい痛みには消炎鎮痛薬が投与され、接触や掻きむしりで水疱がつぶれて細菌感染した場合は抗菌薬が処方されます。

 

殆どの場合、皮膚症状の治癒と共に痛みも無くなりますが、皮膚症状は治まったのに痛みは残り、長引くことがあります。これは『帯状疱疹後神経痛』と呼ばれる帯状疱疹の合併症のひとつです。若年患者ではウイルスによって損傷された神経も健全に回復しますが、高齢者は破壊されてしまった神経の回復は遅くまた困難で、帯状疱疹後神経痛に至ってしまうケースが多くあります。 帯状疱疹の合併症としては他に「難聴」「眼の疾患(角膜炎・網膜炎等)」「顔面神経麻痺」「脳炎」「腸閉塞」などがありますので、早期治療・予後の経過観察が重要です。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛の症例では『連続した激しい痛み』と『時折繰り返し襲ってくる刺すような痛み』の混在を訴える場合が多くあります。
他にも下記の様な痛みや感覚異常が現れ難病となります。

● 激しく抑え締め上げられたような感覚の痛み
● 身体中が浮腫み腫れ上がったような感覚に襲われる
● 身体が重く感じられ動きも困難な状態
● 焼けるような痛みが間断なく襲ってくる
● 感電したような激しい痛みが突然走る
● 少しの接触で悪寒を伴う刺激を痛みに襲われる
● 知覚の低下や感覚の鈍化が酷くなる

現在、帯状疱疹後神経痛のこれら様々な痛みや症状を完全に克服する治療法は確立されていません。それぞれの症状・発症過程・治療経緯などから様々な投薬療法を試み、神経ブロック療法や理学療法なども組み合わせ、症状の軽減・緩和治療が行われています。つまり痛みをいかに制御し、日常的にうまくこの難病と共存させていくかが大きな課題とされているのです。

帯状疱疹の鍼灸治療

帯状疱疹の予後合併症である『帯状疱疹後神経痛』の治療において鍼灸治療は効果効能が如何なく発揮できると断言できます。あらゆる神経痛の緩和・解消で鍼灸治療は効果的に作用しますが、中でも帯状疱疹後神経痛の治療は当院の最も得意とする疾患の一つです。

 

鍼灸治療では古くから痛みを緩和する施術法は実証され伝承されていますが、合わせて中医学の臨床理論を踏まえ、帯状疱疹後神経痛の緩和軽減療法に取り組んでいます。体質改善や免疫力をも高める療法を継続施術することによりその効果で、患者さんの中には神経ブロック注射の後より、楽になったとの感想や報告を得ています。これは鍼治療とお灸治療の表裏反作用効果による交感神経の働きの調整、副交感神経作用の促進によって、精神状態の安定、不安不眠症の解消などの効能も相まって、痛みの緩和軽減に奏功連鎖していくからでしょう。


中医学書には帯状疱疹のことを「蛇丹」「纏腰火丹」と記されており、その原因は風・湿・熱・邪に関わると示され、それらが皮膚を犯し痛みや水泡となって現れるとあります。またその症状により以下のように分類されています。

 

 ●疱疹がなく激しい痛みが両脇にあり、不眠を伴い胸や脇に鈍い痛みを感じる
  ・・・・気滞お血型
 ●高湿度で寒い時期に症状が悪化し手脚が冷える
  ・・・寒湿滞絡型
  ●普段激しい痛みは伴わないが、疲れや体調の悪い時に痛みが増幅し、休息すること
   により痛みが軽減される
  ・・・気血両虚型

 

これらそれぞれの症状に対処の療法が説かれ、治療効果が実証されています。
また近年、世界保健機関(WHO)の研究でも『帯状疱疹後神経痛』の治療には鍼灸治療が効果的であると報告されています。その治験によると、投薬治療では平均10.5〜10.4日で痛みが緩和されたのに比べ、鍼治療では平均1.48日〜5.76日で痛みが解消されたと結果が発表されています。


帯状疱疹の発症がストレスとなり、その疲労感で更に免疫力が低下し、様々な辛い症状に耐え、ようやく発疹が治まり治癒したと思いきや、更なる痛みに襲われ今度は『帯状疱疹後神経痛』との診断。これは体験した人にしか理解できない苦難だと思います。帯状疱疹の予後が芳しくなく不安な方、現在も激しい神経痛を抱え投薬治療を続けながら苦しんでおられる方、是非当院にご相談にお越し下さい。
 

発症早期の鍼灸治療は極めて効果的で短期間でその成果を実感して頂けます。また経過を要したケースは確かに完治までに時間はかかりますが次第に快方に向かい、長年の痛みの和らぎを自覚して頂けます。

 

ご予約はこちら

お一人おひとりにじっくりと治療にあたるため、当院は完全予約制になっております。
ご予約はお電話かWEB予約フォームよりお願いいたします。

<完全予約制>TEL 06-6147-6388


お悩みの症状から探す